トップページに戻る

バンコク便りー2004年9月号

これは管理者の先輩であり友人であるSさんが毎月発行してくれるバンコク便りです。Sさんの御認許を頂き掲載させていただいています。

サワディー クラップ !  トゥック コン パック ローン パイ ティオー ナイ マー クラップ ?  (皆さん、夏休みはどこに遊びに行ってきましたか ?)  

我I社では8月の日曜日以外の休日は、12日の王妃(クイーン)の誕生日1日だけでしたので、どこか遠くに遊びに行くとか日本に帰るなどの日数のかかることは残念ながら出来ませんでした。
しかし皆さん方にお伝えする情報集めのため、ちょこちょこあちこちに出歩いていますので、結構有意義な休日を過ごしています。
ただ一寸困ることは、休みの日には会社の自動車を使わないことにしていますので、 どこかに取材に出向く場合には必ずバスや電車(BTS、地下鉄)に乗らなくてはならないので、少し行き先のややこしいところに行くときは事前にバスの系統(路線番号)や乗車場所(バスターミナル)などを調べておかなくてはならないため大変ですが、でも逆にこれが結構楽しいんです。
タイでのその時々のいろいろな行事を、いつ、どこで、どんな催しがあるのかを友人から聞きだし、目的地までどのようにして行くのかを人に聞いたり、地図やバスの路線図を使って細かく調べ上げます。
言葉も良く通じないし乗車方法も日本と異なるので心配はいろいろありますが、あとは心臓と度胸で実行に移すだけです。ですから失敗はいろいろあります。  
この間もバスに乗ったとき、車掌が来て「どこから乗ったの」と聞いたので「サナーム ルオング(王宮前広場)から」といったら、車掌や周りの人にげらげら笑われました。  
よくよく聞いたら、実際は車掌が「どこに行くの」と聞いてきたのに、乗り込んだ停留所の名前をいったので、それで笑われたのが分かりました。
でも親切な車掌でゆっくりいい直してくれたのでよく分かり、無事切符を買うことが出来ました。
また車掌は次に止まる停留所の名前をいうのですが、早口なのと発音がはっきりしないので(タイ人には普通なのでしょうが、私にとっては聞き取れません)、降りるべきところがよく分からず、乗り過ごすこともしばしばあります。
ところで皆さんの中には一度バスに一人で乗って見たいという方もいるかと思いますので、昨年の9月号でも一寸触れましたが、「バスの種類、乗り方」についてもう少し詳しく書いておきましょう。

まず「バスの種類」ですが、主なものとして次のようなものがあります。
1)赤バス(市営バス)  
色は赤とクリームの2色で、どこまで行っても4バーツです。(2月までは3.5バー ツでした。) 乗車すると車掌が来て料金を支払いますが、だまって4バーツ払えば よいので何も問題はありません。
ただ高速道路を利用するものや深夜走行には、割 り増しとして2バーツ余分にかかります。
このバスにはエアコンは付いていません。
2)ミニバス(民営バス)  
色は緑色で、どこまで行っても4バーツです。ノンエアコンですが、朝早くから夜遅くまで運行しているので便利です。
但しミニバスなので車内は狭くて込み合うし、   またかなりのスピードで走りかつスラローム運転をするので危険がいっぱい。
3)オレンジバス(市営バス)
オレンジ色+全面広告、料金は距離制で10〜20バーツです。
日本人にとっては車掌が理解してくれれば、後はいわれた料金を払うだけです。
このバスは98年から投入された新型バスで、最近はこの型のバスが非常に多く走っています。
エアコン付きですし、乗り心地もよく非常に快適です。  
私はもっぱらこの手のバスを利用しています。まだ他にもいろいろ種類があります。  
次に「バスの乗り降りの仕方」です。
1)バスを止める…バス停で待ち、自分の乗るバスが来たら腕を水平に挙げて乗る合図をします。
バスはかなりのスピードで来ることが多いので、早めに合図をすること。
2)バスに乗り込む…降りる人が済んでから乗り込む。
ドアが2つ以上ある場合はどのドアからでもかまわない。ただし一般的にまだステップにいるのに走り出すバスが多く、乗り降りには十分注意が必要 (乗ったらすぐに手すりにつかまること ! )
3)料金を支払う…車掌に料金を支払うとチケットをくれる。
ときどき検札が来るので、降りるまでなくさないようしっかり保管しておくこと。
4)バスを降りる…自分の降りるバス停が近づいたら、天井またはドアの上にあるブザー を押して出入り口のところで待つ。
バスを降りるときは、バスが歩道から離れて停 車することが多い(場合によっては1車線以上離れたところに停車することもある)ので、横をすり抜けるオートバイや車に十分注意すること。  
最後にバスの正面上に掲示している「バス(路線)番号」についてですが、一般的には同じ番号のバスは同じ路線を走っています。
何番のバスはどこからどこまでかというのは、バス路線図を買ってチェックしておきます。
ただし同じ番号でも終点まで行くものと途中で止まってしまうものなどがあるので要注意。
また同じ路線番号でも、フロントガラスのところに「青色の表示板」があるものは一般道路を走行しますが、「黄色の表示板」のものは高速道路を走行するので、乗り間違えのないよう注意が必要です。ちなみにタイのバスが「日本のバスと大きく違うところ」を書いておきましょう。  
1)多くのバスが運転席の横に大型スピーカをセットして、音楽をガンガン流している。   (日本人の私にはうるさくて、とても我慢出来ない。)
2)運転手が運転中に携帯電話で話しながら、片手運転をしている。  
3)運転手が運転中にタバコを吸っている。  
4)乱暴な運転でやたらとスピードを出すバス(60〜70km/hr程度)が多い。  
5)ミニバスなどはドアを閉めないで走っている。(乗り降りには便利だが、危険が一杯)  
6)大型ソンテオ(乗合自動車)が乗客を乗せたままガソリンスタンドで給油をしている。  
このようなことは、日本ではとても考えられないことですよね !  

次の話題です。先月バンコクには美術館などがないと書きましたが、先日の祝日(王妃の誕生日)に民主記念塔の付近を散策していたら、「The Queen's Gallery」という美術館がありました。
まだ出来てあまり経ってい ないようで、清楚でこじんまりした4階建てのビルで、中には絵画や美術品(焼き物や装飾品など)が展示してありました。  
1階正面には王妃の大きな肖像画が掲げられていて、いかにもこの美術館の名前にふさわしい展示物だなと思いました。  
展示物の中でひときわ目にしたものは、白い絹織物に刺繍で繊細で色鮮やかな鳥 や花などの絵を描いた作品で、とても手が込んでいてすばらしいものでした。
(残念ながら館内は撮影禁止であったため、作品はお見せ出来ません。)

(トピックス)
8月12日は「王妃の誕生日」でしたので、今回はこの様子をお伝えします。  
バンコクの町の飾りつけはすでに7月中旬から始まり、大きな王妃の肖像を通りの 中央に設置したりイルミネーションを街路樹に巻きつけたり、さらに王宮前広場には特設の舞台が設置され当日の用意が着々と進んでいました。  
これらはバンコクだけでなく地方の各地でもまったく同じで、いかに国民の皆が王室を敬愛し心から王妃の誕生日を祝福しているかがよく分かります。  
当日は夕方にアパートを出て、一番派手で賑やかな飾り付けがされているというラジャダムヌーン通り(民主記念塔のある大通り)と王宮前広場に行くことにしました。  
見学のコースは昨年暮の国王の誕生日のときと同じで、民主記念塔の付近でバスを降り、歩って王宮前広場まで行くことにしました。  
バスを降りてすぐのところに公園がありましたが、そこにあった花壇の花がとてもきれいだったので、写真を1枚撮りました。(左上の写真)  正面に銅像が見えますが、タイの国王ラーマ5世の坐像です。  前出の「The Queen's Gallery」はすぐこの近くにあったので、まだ時間も早かったのでここで1時間ほど寄り道をして、時間調整をしました。  
Galleryを出たときは丁度7時ころで日も暮れ、イルミネーションもきれいに輝き始めていました。ぶらぶら通りを歩きましたが、歩道には露天商、ラーメンの屋台や宝くじ売りなどの物売りがいっぱいいて、さらに路上演奏のバンドや大道芸の人たちまで繰り出して、人込みのすごさに拍車をかけていました。  
このあたりの雰囲気は、昨年暮れの国王の誕生日のときとまったく同じでした。  やっとのことで王宮前広場までたどり着きましたが、広場は人でいっぱいで中に入るのもままならず、外から広場の中をのぞいただけで入るのをやめました。  
中の様子は国王の誕生日と同じように特設舞台が6〜7ヶ所あって、それぞれ出し物があってその前は人の山が出来ていました。  
その時突然タイ国歌の演奏が流れ人々が直立不動の姿勢をとったので何事かと思ったら、国王の誕生日のときもそうでしたが、国王ご一家が王宮での公式行事を終えられて チットラダー宮殿(普段お住まいの宮殿です)に戻るため、大通りをベンツのリムジンで通過されたのです。
このとき大通りはすべて交通遮断され、警察官が道の両側に3mおきに並ぶ物々しさでしたが、ご一行はアッという間に通り過ぎてゆきました。  
それでもこのあと1時間近くあちらこちらを見物してから家路につきました。   
取材のためとはいうものの、家を出て乗り物の時間も含め合計5時間半見て回ったので本当に疲れました。

(今月の話題)
今月は「ビザとワークパーミット(労働許可)」について少し書いてみます。  
まず「ビザ」ですが、一口にビザといってもいろいろあります。

種類としては、  
1)No Visa…短期の観光旅行などの場合でビザ取得は不要、滞在許可は30日  
2)Transit Visa…一時滞在用のためのビザで、滞在許可は30日(延長は30日可)  
3)Tourist Visa…観光用のためのビザで、滞在許可は60日(延長は30日可)  
4)Non-Immigrant Visa…業務(就労)・スポーツ・留学・老後のためのビザで、滞在許可は90日(延長は入国日より起算して1年可)  
5)Immigrant Visa…永住用のためのものなどがあります。  
通常皆さん方がタイに来るときには、1)のいわゆる「ノービザ」または同じ観光でも長期滞在のときは3)の観光ビザを取得します。
また私のようにタイ国で業務(就労)の目的で来る場合には、4)のNon-Immigrant Visaを取得します。皆さんの中にはタイ国で就労したいという人もいるかもしれませんが、その場合にはまずNon-Immigrant "B"というビザを日本のタイ国大使館または領事館で取得します。
このビザがあるとタイ入国時、最高で90日の滞在許可が与えられます。  
その後はこの期間中に就職予定先の会社でワークパーミット(労働許可)を取得しますと、ビザは原則として入国日より最長1年の滞在許可の延長が可能です。
ここで問題なのは「ワークパーミット」の取得です。  
近年タイ国は外貨状況があまり良くないため、ワークパーミットの取得がきわめて困難になってきています。
ワークパーミットの取得に当たって判断基準となるものは、「その会社の規模」「外貨獲得能力」「雇用促進能力」「技術移転能力」「本人の役職」「本人の業務内容と学歴・職歴」などで、審査もかなり厳しくなってきています。  
ただしタイのBOI(Board of Investment タイ国投資奨励法)やIEATの認可会社ですと、提出書類や情報は通常とは異なり手続きは容易になります。(我I社はBOI認可会社ではありませんが、KYEやMCPなどの三菱電機の会社は皆BOI認可会社です。)
さてここで皆さん方に一番関係があると思われる「ビザ」についてお話しましょう。  
それは別名「年金ビザ」と呼ばれるもので、「日本での定年退職者を対象に、1年間の居住ビザが与えられる」というものです。  
年間を通じて暖かく、生活費も安いタイでの生活を望む日本人の退職者(年金生活者)が増加していますが、平成10年10月から55歳以上の外国人は1年間の滞在許可を申請できるようになりました。
ただし滞在は出来ますが、就労は出来ません。  
申請できる条件は、
1)55歳以上の外国人、
2)タイ国内において最低80万バーツの預金高のある人、または毎月最低6万5千バーツの月収のある人となっていますので、希望される方は東京・品川にあるタイ国大使館に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
皆さんは何回かタイ国へ旅行をされているので、タイ入国に当たってパスポートの有効残存期間が6ヶ月以上必要ということは常識としてご存知と思いますが、もし仮にNo Visaの場合30日間をオーバーして滞在(オーバーステイ)したときには、「2年以下の禁 固もしくは2万バーツ以下の罰金またはその双方の処罰を課す」というタイ国の移民法(法律)があるので注意してください。
いずれにしても楽しい旅行がきるよう、必要ならば決められたビザを取得して、間違いなく日本に帰国できるよう気をつけましょう。  
それではまた、来月お目にかかりましょう。  

ポップ カン マイ ナ クラップ