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宇津ノ谷峠(蔦の細道)


●宇津ノ谷峠と蔦の細道散策
2005年の2月5日(土)、自宅を出た車は先輩の家に立ち寄り、静岡市内から車で20分の宇津ノ谷峠の駅の道に着いた。JR静岡駅からバスも出ている。ここは古今和歌集などにも出てくる平安時代の天下の難所、宇津ノ谷峠である。
今ではわずか5分くらいで通過してしまう立派なトンネルがあり、片道2車線の国道1号線が貫通していて、まさに静岡市の経済の大動脈として君臨している峠でもある。

今日は会社の行事でハイキングを兼ねた、軽いウォーキングである。
まずは出席を確認した後、弁当と飲み物をいただいて、蔦の細道の入り口にたどり着き、ゆっくりと平安時代の東海道の道を登り始めた。


宇津ノ谷  宇津ノ谷
左の写真の現在地と言うところから昇り始め、真っ直ぐにこの地図で言う真上に向う。まさにここが蔦の細道である。今日はこの蔦の細道を散策し、岡部の坂本の部落(サッカーで有名なゴン中山選手の生家があります) の手前まで行って、ここから旧東海道に入り、少し昇って宇津ノ谷の宿の山の上に出て、少し下って大正トンネルへ出て、このトンネルを岡部の宿の方向まで通過し、今度は左折し、明治トンネルに出会いました。そしてこのトンネルをまた宇津ノ谷の宿の方向に通過しました。つまり行ったり来たりしたのです。
ここは明治にトンネル、大正のトンネル、昭和のトンネル、そして平成のトンネルと4本のトンネルが存在し、交通の難所振りを物語ってうおります。

2005-2-5 撮影
宇津ノ谷  宇津ノ谷
左の写真は出発点の静岡側のトンネル出口前です。このように片側2車線の国道一号線になっています。向って右の影の中にある建物は道の駅です。なかなか大型トラックが駐車できるスペースが少ない国道一号線では貴重な休憩所になっています。右の写真の橋の上から撮影いたしました。
右の写真は トンネル側を撮影したところです。左のトンネルが平成のトンネル、右に見えるのが昭和のトンネルでそれぞれ、下りと上りの車線に使われています。

2005-2-5 撮影
宇津ノ谷  宇津ノ谷
左は蔦の細道の峠においてある石碑です。あの有名な藤原業平の歌碑であります。この歌碑から見た岡部の宿の方向を見たのが右の写真です。

駿河なる 宇津の山辺の うつつにも ゆめにも 人にあわぬ なりけり

2005-2-5 撮影
宇津ノ谷  宇津ノ谷
蔦の細道の雰囲気はこの右の写真のようです。峠から下ってくるとまもなく蔦の細道公園にたどり着きます。この公園に咲いていた紅梅が綺麗でした。(右の写真)

2005-2-5 撮影
宇津ノ谷  宇津ノ谷
この蔦の細道公園には”なりひら”という名前の休憩所があります。この休憩所の前には左の写真のような綺麗な寒梅が満開でありました。ここまで来ると蔦の細道も終点であります。
蔦の細道から分かれて旧東海道がありましたので、この旧東海道を元の宇津ノ谷の方向へ戻ってみました。すると表れたのは右の写真のような地蔵堂跡がありました。これはこの地蔵堂を建立する為に平らな土地を確保する為に作られた石垣です。とても立派な作りで、石垣は二段構えで総高さは約7メートル、最大幅約12メートル。石材はすべての箇所で横幅は縦幅より長い”平置き”の積み方を施しています。根石はやや大きい寸法の石材を用い、天端石はやや小さい石材を用いています。上段の石垣は、下方で膨らみ、上方で反る形状となり、勾配が一定でないばかりか、表面的に凹凸を持つ形状となっています。
この積み方は中世以前の城郭や近世城郭の高石垣に見られるような積み方とは異なりますが、石材一つ一つの加工技術度の高いこと及び石組みが丁寧な技法によって行われたことが、石垣の安定をもたらしています。

2005-2-5 撮影
  

さらに下ってくると、宇津ノ谷の宿が見えてきました。左の写真はこの地に建っている石碑です。右はこの石碑のところから撮った宇津ノ谷の宿

2005-2-5 撮影

  

この宇津ノ谷の宿に下りて左に曲がると、大正のトンネルがあります。大正のトンネルといっていますが実際は昭和の初期まで工事をしていたらしいのです。左の写真がその入り口です。このトンネルをくぐり抜けて岡部側にでました。さらに数百メートルあるいて、左に曲がると、今度は明治のトンネルに出ます。右の写真が明治のトンネルですです。表面がレンガで覆われていて、現在では使われていませんが、車一台がやっと通れるくらいのトンネルですが、当時としては難所であった宇津ノ谷峠を一気に革新した画期的なトンネルであったと思われます。

2005-2-5 撮影
  

宇津ノ谷の宿のほぼ真ん中にある”お羽織屋”さんにある展示物です。左の写真は徳川家康から拝領したと言われている茶碗です。このひだりの赤い茶碗は15台将軍徳川慶喜公から拝領した茶碗だそうです。
右の写真はこの屋号にもなっている豊臣秀吉公から拝領した有名な羽織です。入場料¥200/人ですが、是非拝観してください。

2005-2-5 撮影

  

左はお羽織屋全景、右は宇津の谷の宿の入り口です。坂になっています。

2005-2-5 撮影

良い天気恵まれた小春日和に、先輩とカミさんを連れて気軽なハイキングでした。静岡にお住まいでない方も是非この宇津ノ谷峠と蔦の細道をお訪ねいただきたいと思います。

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