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ビガンからバギオ、そしてバナウエへ世界遺産の旅 

2009年

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2次世界大戦の開始した日になった。今日はビガンからバギオへの移動日です。

まずビガンのホテルにて朝食をすませ、バスターミナルへ直行した。7時半に出発するはずのバスが30分遅れで出発した。

出発して30分過ぎたところで、突然、気持ちが悪くなった。たまたま休憩所であったので、事なきを得ましたが、どうして気持ちが悪くなったのかは分かりませんが、まるで船酔いにあったようで苦しかったです。汗が出て、はきそうでした。たまたま休憩所なので助かりました。トイレに行って一呼吸したら、再発はしませんでした。

途中、サンフェルナンドにて休憩したバスは急勾配の山道を登り始めて、予定の5時間を大幅に過ぎて6時間30分でバギオに到着いたしました。

 
バギオの街はこのような山の中に散在しています。  これはバギオの中心街のセッション通りです。賑やかです。でもかなりの傾斜のある路ですので歩くのは大変です。

予想していたバギオとは異なり片側1車線しかない道の上り下りの激しい道しかないところでした。当然、渋滞の激しい街でした。

そこで、1台のTAXIをチャーターして(1500ペソ)市内観光をしてからホテルに入りました。

ここバギオは夏場はマニラに変わって首都になっているので何でもありますが、上り下りの多い坂道の街で、中央に公園は憩いの場になっていました。

 
街の中央にあるバーンハム公園です。まさに市民の憩いの場になっているようです。

公園には市民がボートを浮かべ、ベンチで語り合っていました。この公園と、大きな聖堂が観光の目玉のようです。たまたま時間があったので、陸軍士官学校にも行きました。その近くに飛行場もありました。 

でもこの都市は歩くには坂道が多すぎます。それでいて車の混雑は相当ひどく、渋滞がたくさんあります。交差点には信号もなく、これが夏場の首都とは恐れ入ります。今日のような観光シーズンではない時でも渋滞が激しいのですから、ハイシーズンは車が動けないのではないでしょうか?十分な時間を掛ける必要があります。

 
バギオの観光の中心、バギオ大聖堂      マグサイサイ通りからバーンハム公園の入り口にある山岳民族の像。

SMから見るバギオは大きな盆地にある都市でした。山の頂上まで開拓されたこの地はまさに北部ルソンの政治、経済の中心地と思われました。ゴルフ場もありました。大統領の住まいはマンションと称してすばらしい建物でした。予約しておいたホテルに午後の6時頃に到着し早めに寝ました。

 
この写真はSMの屋上から見たバギオの街並  こんな具合ですので、道路も狭いですね。

あすはバナウエイに行きます。世界遺産の棚田のある所です。

 

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ライステラスの村、バナウエへ

当初は専用のチャーター車にするつもりでしたが、6000ぺソもかかりますので、バスに変更しました。ホテルのフロントでバナウエへ行くと言うと目を丸くして驚いていました。車で8時間かかるのだそうです。バスではさらにかかるでしょう。

実はバナウエまではレンタカーを運転手付きで借りるつもりで交渉したのですが、あまりにも遠いので断られてしまった。後ほど分かった事なのですが、今年の9月に来襲した台風の影響で、北周りの道路が通行止めのままだった。その為、南側を大きく迂回しなくてはバナウエには行けないのでした。

 

そのバスターミナルまで、TAXIで行った所、今朝はバスが出ない、と言われました。他の

バスターミナルへ行かないと乗れないと言われ、そのバスターミナルの名前をメモに書いてもらって、TAXIを拾いました。

公園の入り口近くにあるバスターミナル(間口12メートルくらい、奥行き20メートル九対の小さなバス乗り場です)へ急ぎました。

バナウエ行きは午前8時初でした。ギリギリ間に合いました。

バスはバギオの盆地を離れて、山を下り始めました。しかし私の予想では北に向かうはずですが、なんと南に向かっています。おかしいなと思いながら、最初のトイレ休憩地で今一度行き先表示を確認しましたが、間違いなくバナウエ行きです。車は約2時間くらい南下しました。そしてなんとマニラへ行く方向に走っています。このままマニラに行くのかなと疑っていると、まもなく左折してさらに1時間くらいはしりました。どうも私の予想とは異なり、南を迂回して、北上するみたいです。つまり今年の9月に到来した台風のための、各所で道が崩れていました。その為、最短距離の道を走れないのが分かりました。

途中、バレテ峠を通りましたが、この峠を境に北ルソンに入りました。川の水の流れが逆方向の台湾側に流れ出しました。それでもバスは途中ランチ休憩を取りながら午後5時頃にバナウエに到着しました。ここではホテルを予約してありませんでしたが、たまたま途中から乗り込んできた若者(MrJhonson)がロッジの従業員との事で、このグリーンロッジへ泊まる事にしました。

 
バナウエの中心をホテルの窓から見たところ。     同じくビューポイントの方を見たところ

 

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山下将軍の降伏の地と世界遺産の棚田を訪ねて!

今日は欲張りの旅行になる為にホテルを6amにでました。まずTAXI(バンで後輪駆動、4駆が良いのだが見つけにくい)を1日チャーターしました。

まずこの近くにある山下大将の降伏の地であるキアンガンという村に出かけました。マンダエウからは車で1時間かかりました。山を下り、そして高原をマニラ方面に少し行ってから右折し、その道のドン詰まりの土地でした。まさに先日訪れた、静岡連隊の玉砕地のイポもドン詰まりでした。当時日本軍は追い詰められて、やむなくこのような土地で戦ったのでしょう。この土地が日本軍の最後の抵抗の地となりました。山下将軍はここで捕らえられ、バギオに送られて公文書に署名したのです。194592日の事です。フィリピンではこの92日が終戦の日となっています。

 
ここが山下将軍の敗戦の地です。このようにもう道がなく山奥です。右はフィリピンにとって戦勝した記念館であります。

この92回以降も、日本の敗残兵は戦っていました。敗戦を知ったのは9月中旬以降であったと言う帰還兵士の証言もあります。

なんとも言えない思いを抱いてこのキアンガンを去りました。またバナウエへ戻り、世界遺産の棚田を眺められるビューポイントへ出かけました。まさにここには長年来たくて、やっと念願がかないました。とにかくイフワナ族が2000年の歳月を掛けて作った田んぼです。現地ではライステラスと呼んでいます。

 
ここはバナウエのビューポイントです。ここは道沿いにありますし、taxiでもトライシルクでも行けます。

このスケールの大きさとかすばらしさは書きようがありません。

見て頂くしかありません。残念ながらこの山奥でも多くの若者は出稼ぎに行くようになりました。その為、棚田の維持管理ができなくなり、境界の石垣が崩れ始めています。また焼き畑農業の為に、その火が森林に引火して森林が少なくなっています。その為、土地の保水力がなくなって水の確保が難しくなっているそうです。世界遺産の中でも危険遺産に当力されているとの事で、このままではこの姿も見られなくなると思われます。

ゆっくりと過ごした後に、本当に観光客が訪れにくい棚田がここから1時間くらい車で行ったところにあります。BATADと言います。BATADは車で1時間言った後、45分から1時間の山道を下ります。帰りはこの道を当然歩いて帰ってきますので、観光には丈夫な足と、車の確保が必要です。

とにかく行ってみようということで車に乗ったのですが、びっくりしました。このBATADへの道は舗装ではなく、まるで河原の中を走るように岩とか石が一杯です。さらにぬかるにタイヤが空転して2度ほど、冷や汗をかきました。とにかくひどい道路ですのであまりお勧めは出来ません。ガードレールもないのでハンドルを間違えると、一発であの世行きです。すれ違いが出来ないくらいの道幅のところが多く時間もかかりますが、そんな危険を冒した後に得る事が出来るBATADの棚田は見事なものであります。

行く途中では何度も引き返そう思いましたが、Uターンできそうなところがありませんでした。結局終点の峠までたどり着きました。

 
ここはBATADの棚田です。棚田の中に家があり生活しています。この景観を見るためにはバナウエから車で1時間行って、行き止まりの峠で降りて、その道をさらに1時間歩かないと見ることは出来ません。

バンで1時間くらい苦労して着いた峠からこの棚田は見えませんが、約45分ほど下ると、左の尾根を越えます。すると今までの疲れがすっ飛ぶような見事な棚田が目の前に飛び込んでまいります。高さが標高1300メートルくらいだと思いますが、上から下までの長さはおそらく数百メートルはあると思われます山の斜面が見事に段々で仕切られた田んぼでした。バナウエの棚田は面積が小さいのですが、このBATADの棚田は面積が大きいし、その棚田の中にイフワナ族の住まいが存在いたします。まさにこちらの方が本物に見えます。でも前記しましたように、簡単にはこの土地には入れません。もちろん車は1台もありません。(道路が無いのですから)秘境の中の棚田を十分堪能してバナウエに戻りました。そして明日の朝のバスを予約したいとバスステーションに行ったら、今は夜行しか運転していないとの事で、今夜の8時のバスで10時間揺られてマニラに戻る事といたしました。

この日は一生の中でも思い出深い一日になりました。

本当に世界遺産の棚田はすばらしい。フィリピンの誇りではないでしょうか?


           


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